日本アトピー協会は、アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患に対して、安心と安全、そして快適と向上を目指す人々の暖かい誠意に基づき組織された団体です。

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心がけておきたいこと

日常生活での注意事項

高血圧症や糖尿病などの生活習慣病はいきなり症状が出るのではなく、長い間の不摂生が蓄積しじわじわと体を蝕んだ結果です。日々の暮らしの中でちょっと注意すれば避けられたかも知れません。
この逆の考え方で日々の暮らしの中ちょっとした心がけ次第で病気の改善が図れるかも知れません。とくにアトピーというハンディキャップがありますので暮らしの中での注意事項を守り、またこまめな対応が望まれます。

清潔さのこと

  • 健康体を取り戻すためには清潔さを保つことが先ず第一条件です。アトピーだけでなくどんな疾病にも共通したことで、この当たり前のことがなかなか守れないのです。
  • 外出から帰ったときは手洗いとうがいを必ずしてください。そんな単純なこと…と思われますが、雑菌の侵入を少しでも防ぐことはその分「病気を防ぐ力」を本来の病気の方に差し向けることになるからです。体に備わった「限られた治癒力」を有効に働かせることになるのです。
  • 居室のお掃除はこまめに、しかし神経質になって「お掃除に振り回されて」はいけません。お掃除を効率よくすること、また清潔に暮らすためには患者さんの居室に不要な「モノ」を置かないことです。
  • 肌着は毎日、洗いざらしのものに取替えてください。

薬のこと

軟膏やクリームなどを塗るときは、必ずよく手を洗って清潔な指先で塗るように習慣づけてください。塗る量や塗り方は医師の指示に従ってください。

塗り方が判らない場合は医師によく聞いてください。おおむね朝食後と入浴後の日に2回が標準のようです。多目の量を摺りこむようにして塗るよう指導されています。

抗ヒスタミン剤などを服薬する場合は食後、食前、食間の区別を守ってください。食後とは食事を済ませて30分以内、食前とは食事をする約30分前、食間とは食事後90分以上、食事前90分以上ということを目安にしてください。

処方された薬は決められた量を服薬してください。多すぎても少なすぎてもいい結果は得られません。

着るもののこと

  • 一にも二にもお肌を清潔にすることを先ず心がけてください。重複しますが肌着は頻繁に取り替えてください汗で濡れたりした肌着は洗濯機へ。
  • 皮診がでているときは通気性の良い薄手の肌着を着て、そのうえに通常の肌着を重ね着して肌への刺激をやわらげてください。
  • アウター、インナーを問わず着るものに充分に気を使ってください。風合いが柔らかいことはもちろんですが、通気性、吸湿性、保温性などを吟味し縫い目や染色などを厳しくチェックしてください。
  • 「化繊」が悪玉で自然素材が「善玉」とはいちがいに云えません。アトピーに方の間では「綿神話」が定着していますが、「綿花」から「綿」に仕上がるまでには何度も漂白を重ねています。また化学薬品を使わなければ糸につむいだり織ったり編んだり染めたりはできません。
  • 見落とされがちなのが繊維屑の飛散、フラノやコーデュロイの風合いは素敵ですが繊維どうしが擦れあって微細な繊維屑ができ、これが飛散し吸引アレルゲンとなります。
  • 化繊が嫌われるのは静電気が発生し、脱ぐときに皮膚を刺激して痛さ痒さが誘発されるからです。静電気の問題が解決できれば化繊も悪くはありません。
  • パジャマは毛ぼこりの出ない繊維のものを選んでください。また吸湿性のいいもの、手首足首、腰周りなどの締め付け感がきつくないことも大切です。
  • 伸縮部分にはひもゴムよりも板ゴムをつかったものを。またエラスティック性のある伸縮素材などを選んでください。

食べるもののこと

反応の出るものを敢えて食べることはありませんが、卵と牛乳、大豆の三大アレルゲンは生存にとって欠けると不都合なことが起こります。できるだけ食べる方向で食べ方を工夫してください。

大豆のアレルゲンは発酵食品となった場合はタンパク質の形が変わって無害化していることが多く、醤油、納豆、味噌などを少しずつ食べてみて反応が出ないなら医師の管理のもとに量を増やしていってください。

暴飲過食はやはり避けてください。「腹八分目」がちょうど良いというコトバはまさに名言です。

食べるものに「禁止条項」を設けてはいけません。食べたいと思うことは体が要求している証拠。あれもダメこれもダメでは食の喜びを否定するもの。何のために生きているの…とお考えください。最小限の制限事項で、できるだけ食べる方向で考えてください。誰もケーキ皿に山盛りのチョコレートを食べる人はおりません。要はバランスの問題。

何事もほどほどに…が大切。アルコールも度を過ごさない程度なら何事も起こりません。ご自分の適量は判っている筈。

旬の食材を知っておくことはいろいろと便利です。

外食のメニューは油脂分、塩分、糖分、カロリーともに手作りの献立に比べて2〜3割りは多いようです。そのことを計算に入れておいてください。ほかほか弁当やコンビニ弁当も同様です。

白砂糖悪玉説は根拠希薄。しかしながら蜂蜜などで代用できるならそれに越したことはありません。ただし蜂蜜には「蕎麦の花」の蜜もブレンドされています。表示を確かめましょう。

サプリからの栄養素の補給も無駄ではありませんができるだけ毎日の食事から得るように工夫してください。

可能な限り規則正しく食事の習慣を守ってください。食事が不規則になるとお肌にも悪影響を及ぼします。なお夕食後、満腹ですぐに寝入ると睡眠時無呼吸症候群など危険なことになるケースもあるそうです。

住まうこと

  • 患者さんの居室は風通しと日照の良い部屋を選んでください。
  • 湿度計、温度計を目に付くところに置き常に数値を気にしてください。湿度30%を切るとアトピーの方には過乾燥となって良くないようです。
  • 加湿器はあればベターですが、なければ濡れタオルをお皿に載せたものを2〜3枚、室内に置くだけで加湿できます。
  • 建材を吟味し、できる限り合板や壁紙を避けて無垢の板や漆喰壁など従来工法のよさを取り入れてください。
  • 患者さんの部屋の照明は蛍光灯を避けて電灯タイプに、またパソコンやテレビなど強い電磁波が出ていると思われる電気製品は患者さんの居室には置かないようにしましょう。
  • 居室での携帯電話は肌身離さず…ではなく、少なくとも2メートル以上離れたところに置くようにしてください。
  • 部屋の中には古雑誌や運動具、ぬいぐるみ、人形など雑多なものを持ち込まないよう、また置かないように心がけましょう。
  • 衣服は花粉やホコリ、カビ、ダニの運び屋です。クローゼットなどに収納し壁面などに吊ったままにしないように。
  • 室内に観葉植物を置くことを禁止する医師も多いようですが、植物自体でなく土に原因があります。植物は潤いを与えますので必要なら土で育てるものでなく水耕栽培のものを選んでください。
  • じゅうたんがダメでフローリングがベターとは一概に云えません。じゅうたんはホコリを捉えますがフローリングは表面にホコリを捉える働きがなく沈下したホコリが再度舞い上がります。ダニが怖いかホコリが怖いかの問題ですが畳の部屋を敢えてフローリングにする必要はないようです。
  • ソファーやカウチなどの張り素材を吟味してください。パイル織りのものが多いようですがダニ繁殖の格好の場所…となるとレザーが良いようですが今度は「残留ナメシ剤」が気がかりです。いずれにしても綿のカバーが必要です。
  • 患者さんの居室に空気清浄機があれば理想的です。マイナスイオンの放出は期待できるほどの効果はなくムードとブームだけのようです。

お風呂のこと

  • できれば毎日入浴してください。石けんで体を洗うのは毎日でなくて構いません。またシャンプーは控え目にし洗髪後は少なくとも3分間はシャワーで残留シャンプー成分を洗い流してください。
  • アトピーの方は「さら湯」は避けたほうが安心です。誰かが入ったあとは残留塩素が抜けてしまいます。また木炭か竹炭を一本、浴槽に入れておくと残留塩素は抜けてしまいます。備長炭でなければいけないということはありません。
  • 入浴剤は慎重に選んでください。成分によってはカブレが起きることもあります。浴槽に余計なものは入れない方が無難です。
  • 湯上りで体を拭うときは擦ってはいけません。バスタオルなどをお肌に押し付けて吸い取るような感じで水分を拭い取ってください。
  • パイル織りとガーゼがリバーシブルになったタオルが重宝です。
  • 入浴後の保湿剤あるいは治療薬の塗布は3分間が勝負。濡れた髪の毛は後回しにして先ず体を拭って素早く外用薬を塗布してください。髪のお手入れはそれからに。
  • 云うまでもなくステロイド外用薬などの治療薬もお風呂上り直ぐが効果的です。
  • 宅配の温泉湯については医師に相談してください。一概には云えませんが温泉湯の効能は現地で湯治してこそ発揮されるもの。したがって温泉宅配を専門とする大手業者の治療法には限界があるようです。大手業者より地方の良心的な温泉宅配を探されるのがいいようです。
  • 入浴後1時間ほどで痒さが襲ってきます。寝床に就いてからも同じく1時間内外で襲ってきますので同じことなら入浴後すぐに寝床に入る習慣をつけてください。うまくいけば痒さが襲ってくる前に寝入ることができます。
  • 高価な浄水器で浴用水をろ過することは理想的ですが費用と効果のバランスを考えて選択して下さい。

お掃除のこと

  • ハウスダストの中でもダニや花粉、ディーゼル排ガスのカーボンなどは最強のアレルゲン。しかしこれらを家の中から完全に締め出すことは不可能です。お掃除はあまり神経質になると長続きしません。
  • お掃除の前に考えることは患者さんのいる室内にはモノを置かないこと。普段使っていないものは納戸などに仕舞ってください。
  • 雑誌や新聞の重ね置きは格好のダニ・カビの繁殖場所、これらのものを患者さんの室内には置かないこと。
  • 掃除機の集塵バッグの性能は格段に向上していますがそれに見合ったパワーが不足しているようです。コマーシャルほどの威力を発揮させるにはテクニックがいるようです。パワーに関してなら靴で生活する海外からの輸入品が優れているようです。
  • フローリングのワックスがけは雑巾がけに変えましょう。
  • お掃除の盲点を無くしてください。照明の傘の上、本棚の本の上面、ブラインドの上、カーテンの表面、家具や家電製品の裏側、家具の隙間、額縁の裏側、サッシや敷居の溝、網戸の網目などこまめに掃除してください。

お洗濯のこと

  • 残留洗剤の害を少なくするためすすぎは充分にしてください。天日にさらすことで残留洗剤成分は抜けているようです。
  • 可能であれば洗剤を控えて石けんに切り替えてください。
  • 柔軟剤、漂白剤、静電気防止剤は避けてください。多くの洗剤には「抱き合わせ」でこれらが混入されていますが、入ってない洗剤を見つけてください。
  • 干した洗濯物には花粉や窒素酸化物が付着しています。よく叩いて取り込んでください。
  • 乾燥機の場合は使用前に内部をよく拭いておきましょう。コインランドリーはできれば避けたいものです。少なくとも肌に接するものは「自前」で洗ってください。

お化粧のこと

  • アトピー患者である前に「おしゃれをしたい女性」です。だから可能な方法でお化粧を楽しんでください。アトピーを研究し、皮膚科医師の参加で開発されたいい化粧品がたくさん市販されています。コマーシャルに惑わされず、あなた自身で確かめてお気に入りを見つけ
    てください。
  • ただし診察を受けるときはメイクを落として置くのがエチケットです。
  • アトピー仕様だかといって平均価格の3倍もする値段なら、かなり「足元を見た」商売です。2倍程度が許容範囲、1.5倍が良心的なラインです。
  • 成分表を読くだせるだけの「化学知識」をアバウトでも良いですから身に付けて置いてください。ご自分を守るためです。
  • できれば化粧品を手作りする楽しさを味わってください。それをビジネスにした方もおられ大手が採用した例もあります。
  • 「化粧品」「医薬部外品」「一般品」の区別を学んでください。「医薬部外品」になると表示が省かれますのでかえって不安な面もあります。
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