日本アトピー協会は、アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患に対して、安心と安全、そして快適と向上を目指す人々の暖かい誠意に基づき組織された団体です。

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アトピーの治療

遺伝的要素

お肌が弱く、いわゆる敏感肌といわれ水分保持機能がやや劣っています。
アレルギーに反応しアトピー性皮膚炎やアレルギー諸疾患にかかりやすく。アトピー素因を持った方たちです。過去、現在とも統計的に一定の割合で、見方によって私たちの3人にひとりはアトピー性皮膚炎にかかりやすい体質。遺伝ですから家族全員同じ因子を持つことになります。

アトピーの遺伝子を持った人にのみ発症します

アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患はアトピー素因と云う遺伝を持っている人にのみ発症するとされています。アトピー素因と名付けられていますが、アトピー性皮膚炎に限らず発症部位の違いによって以下のような病気になります。このほかアトピー性髄膜炎と云う病気もありますが専門的となりますので割愛します。

皮膚に病変が現れると アトピー性皮膚炎
気管支粘膜に病変が現れると 気管支喘息
鼻の粘膜に病変が現れると 花粉症(アレルギー性鼻炎または季節性鼻炎)
目の粘膜に病変が現れると アトピー性眼症(アレルギー性結膜炎)

アトピー性皮膚炎は家族歴が重要

多くの医師は初診の際、血縁家族のアレルギー性疾患の有無を問います。
日本人の30%がアトピー素因を持っているといわれ、これは数値的に一定と云われていますが、婚姻関係などで今後は増加するかもしれません。いずれにしても現在はアトピー性皮膚炎でなくても何かのきっかけで発症する可能性があり、さらに子孫に出てくる可能性もあります。
「アトピー性皮膚炎なんて関係がない、痒さで騒いでいるだけ…」という傍観の「あなた」に明日、病魔が襲うかも知れません。それほど確率が高い病気です。裏を返せばそれほど「普遍的」な病気ともいえます。

免疫異常を起こしやすい体質が遺伝します

体外からの異物を排除し体内の状態を安定させる働きが「免疫」で英語ではImmuneイミューンと云います。異物は必ずしも病原菌のような「悪玉」ではなく、からだに良いはずのものも初めは「異物」と判断し「気をつけよう」と警告の信号を発します。次に同じ異物が入ってきた場合はからだに良いものか、悪いものかを選り分けて、悪いものだけを阻止するため、熱をだしたり、血流を盛んにして排除を早める働きをします。
悪い物質として選り分けられるものは病原菌のほかは高分子たんぱく質で「分子式」で記した場合長ったらしいものとなるとされています。
免疫の仕組みはとても複雑ですが体の「防衛機能」ですからしっかりと機能していないと不健康状態になります。

アトピー体質を変えることはできません

体質は細胞内にある「核」の、さらに中にある染色体の中の、そのまた中にある「遺伝子」に組み込まれたもので、化学物質により信号がつくられ「ゲノム」と呼ばれています。アトピー素因はその遺伝子に組み込まれ、遺伝子は細胞が分裂するごとに「複写」されて代々、受け継がれます。したがって体質は絶対に変えることは出来ません。
民間療法で「体質を改善しなければアトピーは治りません」と云われます。まさにその通りですが、そのあとに続くコトバとして「だからこれを飲んで体質をかえましょう」という訳にはいきません。A型血液の人が薬を飲んでB型血液になったなんてあり得ないことです。
従って体質に合せて生活の方法を変えることが求められます。

アトピー性皮膚炎は遺伝することを考えて生活設計を

アトピー性皮膚炎をはじめアレルギー諸疾患はアトピー素因が遺伝子に組み込まれた体質を受け継いだ人に選択的にあらわれます。選択的ですからアトピーにならない方もいます。
しかしご自身がアトピーでなくてもアトピー素因があれば子供さんやお孫さんにアトピーがでてくる場合もあります。逆にご自身がアトピーだからといって子供さんに必ずアトピーになるとは限りません。その確率は医師にとって見解が異なり定数的な面では未知数です。
アトピーの方でいちばんの悩み事は結婚後の子孫への影響ですが、アトピーが出てくることを前提にすべての生活設計を行なってください。ご自身が苦しまれた経験がおありですので的確な対応ができ、従って症状が劇的に悪化することが防げるはずです。民間療法などに惑わされることなく、医学的に認められたアトピーについての情報で病気の実態を学んでください。

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