症状の現れ方と程度
症状の現れ方
アトピー性皮膚炎は主に皮膚が病変し強い痒みを伴います。皮膚の病変を皮疹と云い幾つかの現れ方があります。診断は医師の専門領域ですので素人判断は禁物ですが、おおまかな目安は以下のようです。なおアトピー性皮膚炎は皮膚科またはアレルギー科、乳幼児の場合は小児科の領域です。
皮疹(ひしん)
皮膚に現れる病変の総称で病変の程度によって次のように呼び分けます。
湿疹(しっしん)
紅斑、丘疹、水疱などが混じり合って皮膚に現れるとき
これを湿疹と呼んでいます。
紅斑(こうはん)
皮膚が赤みを帯びた状態で、皮膚の表面に近い
毛細血管が拡張してうっ血している状態をいいます。
丘疹(きゅうしん)
皮膚から盛り上がったブツブツ状の病変、直径1センチ以内のものをいいます。
水疱(すいほう)
丘疹状のもので内部に水のような液体を含む場合をいいます。
膿疱(のうほう)
水疱の中身が膿となり白く濁って見える状態をいいます。
膿瘍(のうよう)
丘疹や水疱などが化膿して膿がたまった状態をいいます。
糜爛(びらん)
皮膚の表面が欠けてなくなり、分泌物でジュクジュクに
なった状態をいいます。
痂皮(かひ)
ビラン面が乾燥した状態をいいます。
血痂(けっか)
血管から滲み出た血や液体、膿などが乾燥して固まった状態をいい、俗にいうカサブタ、掻破痕ともいいます。
魚鱗癬(ぎょりんせん)
皮膚が乾燥して荒れた状態で、魚の鱗のように脱落する状態をいいます。
症状の程度
アトピー性皮膚炎は上記のように病変は皮膚に現れます。その病変の広がり具合が症状の程度の判断基準となります。
病変部分の面積などを%で現す事もありますが、いずれにしても専門医レベルでの判断となります。また病変部は安定せずつねに変動していますので、症状の判定は医師に委ねてください。
軽微
炎症症状に乏しく乾燥症状が主体
軽症
乾燥および軽度の紅斑、鱗屑などを主体とする
中等症
中程度までの紅斑、鱗屑、少数の丘疹、掻破痕などを主体とする
重症
高度の腫張、浮腫、浸潤ないし苔癬化を伴う紅斑、
そして丘疹の多発、高度な鱗屑、痂皮の付着、小水疱、びらん、
多数の掻破痕、痒疹結節などを主体とする