日本アトピー協会は、アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患に対して、安心と安全、そして快適と向上を目指す人々の暖かい誠意に基づき組織された団体です。

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アトピーの症状

アトピー性皮膚炎の特徴

罹った人にしか判らない猛烈な痒さがアトピー性皮膚炎の特徴です。

「痛さ」は身体の異変を知らせる警報です。いっぽう「痒さ」はその前兆段階を知らせてくれる警戒信号のような役割という説があります。
痒さがひどいから身体に危機が迫っているわけでもなく、多くの場合痒さが死に直接結びつかないため軽く見てしまいます。しかしアトピー性皮膚炎の痒さは特別です。アトピー性皮膚炎の方以外は到底わかっていただけない「痒さ地獄」です。

アトピー性皮膚炎では次のような場合に痒さが襲ってきます。

  • 床について30分から90分辺り、うつらうつらし始めたころ
  • お風呂上りの10分後辺り、また入浴中にも痒くなります
  • 衣服を脱いだとき
  • 汗をかいたとき
  • はげしい運動した直後
  • 心理的にイライラしているとき
  • 何か非日常的なことで緊張したとき(受験など)
  • 湿疹が治りかけているとき

アトピー性皮膚炎は多くの場合、左右対称に皮疹があらわれます。

アトピー性皮膚炎のもう一つの特徴は皮疹、とくに湿疹をともない「アトピー性湿疹(atopic eczema)」と呼ぶ国もあります。アトピー性皮膚炎の皮疹には次の種類があります。

掻かなくても出来る皮疹
粟粒ほどの点状紅斑・芥子粒ほどの小丘疹や小水泡・紅斑紅疹

掻きむしることでできる皮疹
潮紅・糜爛・血痂

掻くことを繰り返していると
結節・苔癬・痒疹

掻きむしりに感染要素が加わって
浮腫・毛嚢炎

少し厄介なアトピー性皮膚炎の病変

アトピー性皮膚炎は主に皮膚が病変し強い痒みを伴います。皮膚の病変を皮疹と云い幾つかの現れ方があります。診断は医師の専門領域ですので素人判断は禁物ですが、おおまかな目安は以下のようです。なおアトピー性皮膚炎は皮膚科またはアレルギー科、乳幼児の場合は小児科の領域です。

エレファントスキン
高度に苔癬化した皮膚病変で厚皮症または象皮症とも言われ、とくに頚部に特徴的に出ます。文字通り象の皮のような厚ぼったい皮膚となって屈曲に困難を伴うこともあり、何よりも見た目の変化が大きくアトピーも方々に心理的なダメージを与えます。

ドライスキン
たいていは痒さを伴わないカサカサ肌ですが、衣服を脱いだりしたときに急に痒さがあらわれ幼児の場合は掻く癖がついてしまうケースが多く見られます。

口切れ・耳切れ
両側の口角部に湿疹があらわれ亀裂が生じます。また幼児に多く見られるのが耳たぶ下部の亀裂でいずれの場合も感染の危険性があります。

頭髪内の病変
頭髪部も皮膚ですのでアトピー性皮膚炎の症状があらわれます。紅斑、丘疹などは目に見えないので医師も確認が困難ですが痒さが強烈で、掻きむしると湿疹が生じ、また屑落も激しくあらわれます。掻くために頭髪が抜けることもありアトピー性皮膚炎にとっては厄介な部位です。額の生え際、うなじなどに強く症状があらわれます。

股間の病変
アトピー性皮膚炎が顔や腕などに出ている場合は良いのですが下半身、特に股間部に出てくると女性にとっては深刻な問題です。やはり女医さんに診ていただくのが抵抗が少ないようです。またアトピー性皮膚炎とは別の「真菌」による皮膚炎も好発しますので、この場合は別の治療法となります。

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