処方保湿剤を美容目的でご使用の方へのお願い
ヒルドイド等、保湿剤を美容目的として皮膚科・小児科を受診され処方をお受けの皆様に、アトピー性皮膚炎患者さんに成り代わりましてお願い致します。
健康保険組合連合会様によると、この2年間で明らかに保湿剤の処方による薬剤費が数億円レベルで増えているとのことです。
保険財政が厳しい折、保険適応外とするような提言がなされることも致し方ないことと思います。
しかし、アトピー性皮膚炎患者さんにおいては、ヒルドイドをはじめとするヘパリン類似物質製剤全般、その他ワセリンやプロペトなどの保湿剤にまで保険適用外が及びますと、治療・改善・症状維持できる外用薬は存在しません。
云い替えれば、保湿剤が無ければアトピー性皮膚炎が悪化する可能性が極めて高いということです。
また、処方保湿剤をご使用のアトピー性皮膚炎患者さんが、化粧品メーカー様より販売されている化粧品類に属する保湿剤を使用できることも非常に稀です。
アトピー性皮膚炎は、専門医による治療が必要な乾燥肌と強烈な痒みを伴う皮膚疾患です。
患者さん方は、24時間365日、1日を過ごすために少なくとも1日2回以上の塗布を必要とする生活を送られています。
また、症状が落ち着いた状態となっても、処方保湿剤から市販の保湿剤に変更できることも非常に難しい疾病です。
その他にも、石けんやシャンプーをはじめ、寝具や衣類など、ありとあらゆる日用品への配慮が必要であり、その経済的な負担を抱えながら、日々改善に向け努力されておられます。
アトピー性皮膚炎患者さんが皆さんと同じ日常生活を送るうえで、処方保湿剤は必要不可欠です。
ぜひともアトピー性皮膚炎患者さん方の立場をご理解いただき、深いご配慮をお願いする次第です。
何卒、宜しくお願い申し上げます。拝。
特定非営利活動法人日本アトピー協会
代表理事 倉谷 康孝
協会員一同